通路を歩く人、隣の会話、背後からの声かけ。オープンオフィスでは、仕事と関係のない動きまで気になり、夕方にはぐったりしてしまうことがありますよね。集中できない自分を責める前に、席と視界に入るものを見直してみましょう。
音や光を一つずつ減らしても、人の気配が重なる場所では落ち着かないことがあります。この記事では、HSPという言葉に自分の感覚が重なる方に向けて、席の選び方と環境調整の頼み方を紹介します。職場のルールを守りながら、小さく試せる方法を選んでください。
オープンオフィスがつらいのは、なぜ?
仕切りの少ない職場は、相談しやすい一方で、人の動きや会話が入りやすい場所でもあります。集中したいときまで反応し続けると、作業をやり直す回数が増え、疲れを感じることもあるでしょう。
- 通路の人影
- 隣の席の気配
- 周囲の会話
- 急な声かけ
- 見られている感じ
ただし、同じ環境でも困ることは人によって違います。視線が気になる人もいれば、会話の内容が耳に入って困る人もいます。「静かなら大丈夫」と決めず、自分の作業が止まるきっかけを確かめてみましょう。
音でも光でもなく、「場」が重なる
たとえば一人の足音は気にならなくても、電話と会話が続き、さらに誰かが画面をのぞくと落ち着かない。そんなときは、一つの刺激より、同時に起きることの多さが負担かもしれません。
HSPは病名ではなく、感受性に関する気質を表す言葉です。提唱者らの解説でも診断とは区別されています。職場がつらい原因をHSPだけに求めず、業務量や体調、実際の環境も一緒に見直すことが大切です。
メモするなら「昼休み明けは人の出入りで中断した」など、作業との関係を一行残す程度で十分です。誰が何回通ったかを数え続けるより、調整できる場所や時間を探すために使いましょう。
今日できる席の選び方

一番静かな席ではなく、自分の作業が続きやすい席を探してみます。相談しやすさや安全な移動経路も含めて、無理のない位置を選びましょう。
| 気になること | 試せる調整 |
|---|---|
| 通路の人影 | 出入口や主要な通路から少し離れる |
| 背後の気配 | 背後に人が通りにくい席を相談する |
| 画面への視線 | 画面の向きを調整し、必要なら仕切りを相談する |
窓際や壁際なら必ず快適、というわけではありません。窓の反射で画面が見えにくい、空調が直接当たるなど、別の困りごとが出る場合もあります。可能なら短い作業で試して、集中しやすさと体の楽さを確かめてください。
机の上も、今の作業に必要なものを取り出しやすくしておきます。全部を片づけるのではなく、画面の周りに見える書類を減らすだけでも試しやすいでしょう。共有物を動かすときは、使う人に確認してください。
フリーアドレスでも、同じ席にこだわらなくていい
好きな席が空いていない日に備えて、第二候補を決めておきます。入口から離れた席、短い資料作成に使える席など、条件で候補を持っておくと、特定の席を取れなかっただけで一日をあきらめずに済みます。
仕事によって席を分ける方法もあります。相談が多い時間はチームの近く、集中して資料を作る時間は予約できる静かな場所、と使い分けられるか確認しましょう。利用時間や予約ルールを守り、共有スペースを占有しないことも大切です。
場所を移すときは、機密情報が他の人に見えないかも確認します。席を変えたいからといって、許可されていない場所に書類や端末を持ち出す必要はありません。
ヘッドホンは、場を一層だけ隔てる
ヘッドホンをつけると、人の気配から少し距離を取れると感じる方もいるでしょう。ただ、どの職場でも使える方法ではありません。電話や来客への対応、警報の聞こえ方を含めて、使用してよい場面を確認します。
音を消すために音楽の音量を上げるのは避けましょう。長時間つけ続けて疲れるなら、短い集中作業の間だけにする、外して休むなど、自分の感覚を確かめながら使います。
日常の音が痛い、極端に大きく感じる場合は、HSPと決めつけず耳鼻科などに相談してください。NHSの聴覚過敏の案内では、耳栓などを常時使うことや、音を完全に避け続けることに注意を促しています。これは危険な騒音への保護具が不要という意味ではありません。
音そのものへの困りごとは、仕事の音に敏感なときの守り方で詳しく紹介しています。照明がつらい場合は、白い光の調整方法も合わせて確認してみてください。
上司に、環境だけを短く伝える
「HSPなので配慮してください」だけでは、相手が何を変えればよいか分からないことがあります。診断名のように説明しようとせず、困る場面、仕事への影響、試したい方法を順に伝えてみましょう。
伝え方の例です。「入口近くの席だと人の出入りで確認作業が中断しやすくなります。午前の一時間だけ、空いている奥の席で作業してもよいでしょうか」
最初から永久的な席替えを求めなくても構いません。一週間だけ試し、その後に進めやすさを相談する形なら、具体的に検討しやすくなります。職場の事情で難しいときは、時間帯や声かけの方法を変えられないか尋ねてみます。
突然の声かけで手順を忘れる場合は、「急ぎでない相談は、作業の区切りで受けたい」とお願いする方法もあります。ただし、緊急時の連絡は別にします。チームで使う連絡経路を決め、仕事を止めない形を一緒に探しましょう。
言えなかった日は、短い休憩から
環境の相談をすること自体が負担な日もあります。その日は、決められた休憩時間に人の少ない場所で過ごす、集中作業の前に必要なものをそろえるなど、一人でできる範囲に絞って構いません。
ただ、相談できない状態が続き、体調や仕事に支障が出るなら、一人で耐えることを目標にしないでください。直属の上司に話しにくい場合は、人事や産業保健スタッフなど、職場で利用できる窓口を確認してみましょう。
環境を調整することと、人間関係を断つことは別です。作業に集中する時間と、相談を受ける時間を分けるための工夫として伝えると、必要なつながりも守りやすくなります。
昼休みも周りへの気遣いが続くなら、同僚ランチがつらいHSPへ|昼休みの一人もどうぞ。誘いへの短い返事と、自分が休める場所の選び方を紹介しています。
まとめ
オープンオフィスでつらいときは、席・視界・声かけのタイミングを一つずつ見直してみましょう。背後の動きが少ない席を試す、短い集中時間を相談するなど、仕事の進め方と結びつけるのがポイントです。
帰宅後も疲れが残る日は、職場で頑張る工夫だけでなく、家で休むための伝え方も役立ててください。明日は第二候補の席を一つ探すところからで十分です。


コメント